一般社団法人武雄青年会議所

第58代 理事長 田中 隆広

所信

はじめに

私は2014年に入会してから10年経ちます。この10年間を振り返ってみるとJCを通じて色んな方々の顔を思い浮かべられます。入会当初、当時の現役メンバーの方々が右も左もわからない私を温かく迎え入れてくれたのは今でも心に残っています。2017年には初委員長を任され先輩方には時には優しく、時には厳しくして援けて頂きました。そうして活動・運動をしていましたが、私の中でJCに対しての熱量が低くなった時がありました。「JC行っても面白くないな」、「このまま辞めようかな」と思いました。しかし、それでも何故か行き続けていました。私が行き続けていけたか考えてみると、そこには色んな人との出会いがあり、何気ない会話の中で生まれる楽しさ、新しい発見、人によって刺激をもらい心に炎を灯すことができたからです。人によって入会した目的は違うかもしれません。ですが、根本的に人と人が交わる場であり、その場に行かなければ楽しささえも見出せません。
このJC生活で出会えたOBの諸先輩方、他LOMのメンバー、事業を通して知り合えた方々、そして今目の前にいる武雄青年会議所の現役メンバーの皆様のことを考えた時に、人と人との繋がりを尊ぶ心、関わる人との感動を分かち合う時間、一人ひとりが互いに力を与えられる存在となり、その瞬間を大切にしたいという気持ちがより一層強くなりました。
そして、私たちの周りには様々なENが関わっているのだと気づかされました。「縁」「円(満)」「援ける」「(心に)炎」「ENPOWER(力を与える)」今年1年このENをスローガンに掲げ武雄青年会議所は邁進して参ります。

JAYCEEとして

やる気に満ち溢れて入会した人、なんとなく誘われて入会した人、青年会議所に入会するときの気持ちは人それぞれですが、卒業する時は同じ気持ちでありたいと強く思います。青年会議所のミッションは青年に成長の機会を与え、その機会を前向きに受け入れ、自己の成長に繋げるか否か、決めるのはその人自身です。人生は選択と決断の連続です。今の自分があるのは過去の選択の積み重ねであり、その選択基準はその人の経験、環境、人生観による尺度により決断されます。私にとって青年会議所はその尺度を再定義することが出来る場です。今、あなたは自分の活動状況に満足していますか。今の状況から一歩、気持ちを前へ進めることで、その後の人生を大きく変えることが出来ると私は信じています。

次世代の青年経済人として

現在は新型コロナウイルスがインフルエンザと同じ5類感染症に移行されアフターコロナと呼ばれる状況へと変わりました。アフターコロナといっても、従来と何が異なるのか、今後どのように会社を経営していくべきなのかわからず悩む経営者も少なくありません。資源・物資の供給量やそれにかかるコストの変化、従業員の働き方の変化、消費者の購買行動やニーズの変化などがあげられます。そういった中で「明るい豊かな社会」という青年会議所の目的達成のためには、まず私達自身が所属する企業を発展させ、地域経済において活力ある存在にしなければなりません。ゆえに私たちは自己修練の中で自分自身の経営力を高めていき、そうした土台があってこそ、私達JAYCEEとして地域社会の発展に貢献していけるのではないでしょうか。「JCに入って良かった」と本人が感じるだけではなく、家庭や会社、そして地域からも認められるような経済人として、地域経済のカンフル剤となり、メンバーの奮起を促します。

組織として

⻘年会議所は、明るい豊かな社会の実現に向け、会員同士で切磋琢磨し、力を合わせるからこそ⻘年が社会により良い変化をもたらすことができる組織です。各委員会が、強固な連携体制を構築することは重要であると認識しつつも、各委員会が担当の事業に追われ、単独での行動が多くなり他の委員会への関心は薄れ連携が図れず、組織としての力を発揮しきれていない状況です。今後、武雄⻘年会議所が持続可能なまちを目指し続ける組織となるには、各委員会が円滑に活動・運動できる連携体制を構築して、会員一人ひとりが組織の方向性を理解し、一丸となって運動を推進することができる組織基盤を確立して参ります。

結びに

私は人生という道を進むにあたり、決して私一人で切り開いてきた道ではなく、その道を切り開くための手助けをしてくれる誰かがいたということを忘れてはいません。そして、そのご縁が重なり今年、理事長職をお預かりすることとなりました。
現在もJC活動ができていることは家族・会社の従業員・友人・JCメンバーなど多くの方の支えがあることに感謝をし、今年訪れるご縁を更なるチャンスとして武雄青年会議所の成長に繋げ、活動から生み出すご縁が、会員全員の人生を飛躍する1年になることを祈念し理事長所信といたします。

基本方針

  • 一、新たな縁を求めて
  • 一、発展と成長の場であるために
  • 一、もっとこの町が好きといえるまちに
  • 一、子供たちの援けとなる青少年育成であるために
  • 一、揺るぎない基盤となる組織・浸透する情報発信であるために

新たな縁を求めて

会社や企業にとって“従業員は宝だ”というように青年会議所でも同じく会員一人ひとりが宝であります。私たち青年会議所という組織を運営しながら運動・活動を一般市民の方々に展開し、発信していくにしてもやはりマンパワーは必要不可欠なのです。
また、入会しなければ出会えなかった魅力ある人たちと業種や年齢を超えて、目的を達成していく貴重な経験は他では決して経験できることではありません。そのためにも我々の魅力を伝播しながら会員拡大(Enlarge)に努めて参ります。

発展と成長の場であるために

青年会議所はただ入会しただけでは発展と成長はできません。自ら会へ参加し、様々な人と繋がり経験をし、そして考え、また行動する、その積み重ねにつきます。新しい価値観や世界を再発見していくためには、自分とは異なる他者の価値観に触れ、多様な人とのつながりの中で人と人との対話を通じ、各々の見聞を広げることです。そうすることにより自己の発展と成長を促し、他者に力を与える(ENPOWER)存在を目指します。

もっとこの町が好きといえるまちに

武雄市は新幹線開業やスポーツ施設の新設などハード面での進化・発展をし続けていますが、その反面10年前の約5万人いた町の人口も約4.6万人と減少化が進んでいる中で、まちの持続的成長のためには女性の活躍推進は必要不可欠です。また、地域を活性化させるためには、まずはその地域に住み暮らす人々が地域のことを知り、地域に誇りや愛着を持ち、一人ひとりがまちづくりに参画する意識を醸成する必要があります。そして、ハード面での豊かさだけではなく、ソフト面の豊かさも追求することが大切であり、人々を魅了する(Enchant)まちづくりに取り組むことで市民の幸福度を高めて参ります。

子供たちの援けとなる青少年育成であるために

30代、20代の私達の子供時代とはまた違い、現在の子供たちを取り巻く環境は移り変わりをみせています。一つ例をあげると勝利至上主義に対しての考え方の見直しであります。スポーツ競技において相手に勝つことは必然的であり、目標にすべきものでもありますが、時として行き過ぎた指導や練習が取り上げられます。そのような中で子供たちにはスポーツとはまず楽しむもの(Enjoy)であり、勝ち負けに関係なくスポーツを通じて子供たち自ら考える力や道徳心を養うことが必要であります。そして、私たち大人が未来を担う子供たちの援けとなるように取り組んで参ります。

揺るぎない基盤となる組織・浸透する情報発信であるために

青年会議所は会議で始まり会議で終わる団体であり、ひとつの組織として内部の運営がしっかりとした形で進んでいかなければなりません。この組織運営がエンジンとなり、厳格な会議・財政運営を行っていく必要があり、それを基に私達の運動・活動が円滑に実行し続けることが地域や各種団体から信頼される青年会議所であり続けていきます。
そして私たちの運動・活動を幅広く周知してもらうために、これからも様々なデジタルツールを使用していきます。また、アナログな手法ですがマーケティングの観点から口コミの重要性を忘れてはいけません。人から人へと直接言葉で伝えることで私たちの熱意と行動も伝えて参ります。