一般社団法人武雄青年会議所
第54代 理事長
前田 純次

感 恩 戴 徳

継承、創造、そして進化

所信

はじめに

『感謝』私にとってこの言葉は座右の銘です。
私が、理事長の大役を仰せつかることができているのは、私の周りで支えてくれる多くの大切な仲間がいるから。入会時から今日まで出会った全ての仲間に深く感謝しています。
私は、2011年に武雄青年会議所に入会しました。当時は、右も左もわからない中で、予想と違う結果に自信を無くしたり、時として仕事や時間に追われ、活動がプレッシャーからストレスへとなってしまうこともあり、退会しようと考えることもありました。それでも、不器用な私に励ましやエールを送ってくれ、一緒に活動してくれる仲間のおかげで「誰かのために」の大切さを少しずつ自分の胸に刻むことができるようになり、家族の愛情、職場の理解、先輩の指導、後輩の純真さを感じながら成長させてもらったからこそ今の私は存在しています。私は、この青年会議所活動に身を投じてみて、改めて自分の周りの人への『感謝』を行動で現すことの難しさ、『感謝』の念を持つことの大切さ、良心は感化されて喚起するものだと痛感させられています。思うことと行動を起こすことはイコールではありません。行動に起こすプロセスに『感謝』という概念を取り入れて「ありがとう」と言うだけで済まさないところに原点があるように思います。
 

感謝は、
過去を意味あるものとし、今日に平和をもたらし、
明日のための展望を創る。
<メロディ・ビーティ>

 
私はこの言葉に全てが込められていると思っています。
感謝から生まれるものにマイナス思考はありません。常に建設的であり、勇気が湧き、笑顔が溢れ、未来が見えると信じています。2020年も多くのメンバーが喚起されますようにと願いながら、今を悲観せず、感謝を持って、行動に移すことを実践します。当然ですが、貴方の人生の主人公は貴方自身であり、武雄に暮らす主人公は進化した貴方であって下さい。
人が人を想い合う心は、優しさを生み「守る」という感情を育みます。人々が願う幸せは、人の成長とそこに暮らす「まち」を強くさせます。その両輪を上手く育むことで「明るい豊かな社会」の実現に近づくことができると私は考えます。多くの先輩方が未来のために行動を起こし、その凛然たる想いは50年以上受け継がれてきました。私たちには「武雄の魂」というワードで継承されてきた凛然たる想いを本年も引き継ぎいでいきます。

 

仲間づくり

青年会議所は、40歳卒業という限られた時間の中でメンバー一人ひとりが目的意識を持って活動しなければなりません。辻褄合わせや誤魔化して活動すると、苦しさや諦めへと傾倒し成長している自分を実感することはできません。「頼まれごとは試されごと」と入会時に先輩が語られた瞬間から、私の青年会議所活動は頼まれごとで溢れました。それまでは、その意味が全く理解できておらず、頼まれたことを何でも引き受けさえすれば自分の仕事は終わりと思っていました。しかし、活動を続けていると頼まれごとよりも頼むことの方が多くなって初めて気づきます。それは「頼むことは、頼む相手に対して思いを込めるものなんだ」と気づいた時、今までの自分は試されていたと感じたのです。全てを引き受ければ仕事や家庭は必ず疎かになりますが、何ごとも正直に一生懸命に応じなければ誤魔化していく自分が存在します。断るのも正直に話し、引き受けたら一生懸命に取り組むこと、何故頼まれたのかを考え、頼んでもらったことに感謝してみることが大切です。そうすれば周囲からも頼られるようになり、頼られることにやりがいを感じ、更に自らも他者を信じるようになる。
「お互いが必要とする」このつながりが生まれれば強固だと思います。お互いが刺激を受けて成長が促進され、それが周囲へと伝播される。切磋琢磨し信頼しあえる仲間が増えれば、おのずと成長の機会が増える。人と人との関係を構築することは、こうすることによって生まれる愛おしい仲間を一人でも多く増やすことであります。

 

信頼される組織

青年会議所における組織運営は社会の基本であると考えます。会議設営に際しては情報共有の効率化、財政面での財務管理と明瞭化、体質健全化並びにコンプライアンス遵守の徹底に努め、メンバーにとって気づきや学びの多い研鑽の場所とし、同時に我々の活動の信頼性や先見性といったものを高めるような運営を求められています。私たちには武雄青年会議所が設立されて以来、連綿と受け継がれてきた「決め事」が存在します。その「決め事」は例会をはじめ委員会、理事会等の会議や実施する多くの事業、交流や懇親会だけではく、JCバッジを胸から外すその時まで、何よりも守るべきものとして存在します。その「決め事」は、武雄青年会議所が武雄青年会議所であり続けるために必要なものであり、そのひとつひとつに諸先輩方の想いが託されているといっても過言ではありません。近年、入会3年未満のメンバーが過半数を占めており、「決め事」に託された想いが感じ取れているのかを不安に思うことがあります。来たる創立55周年を前に、この「決め事」を再確認します。「決め事」に興味がある人は青年会議所の扉を叩いて下さい。私たちが未来永劫、強く優しく地域社会に必要な組織であることを約束します。

 

むすびに

青年会議所は、「個人の修練、社会への奉仕、世界との友情」の三信条のもと運動を展開しています。ここに集うメンバーは自らの意思で入会し、自発的な運動であるからこそ自己啓発、修練に励むべきであり、無限の可能性を秘めた青年が集う学び舎として活用し、社会への奉仕を通じて個人の成長につなげなければなりません。
私はこの武雄青年会議所に入会してから、それまでの生活では考えられない様々な出会いがありました。多くの出会いといろいろな経験からひとつひとつ生み出された自信はこれからも人生の中で大きな財産となっていくことは間違いありません。青年会議所活動通して、多くの先輩方からの助言、仲間と無心になって行う活動、関係団体との人的な交流は、不器用な私が進化していくためのコアであり『感謝』であります。
青年会議所活動の歴史や伝統を受け継ぎ、明るい未来を目指して更なる一歩を踏み出す我々は、自分たちの未来と武雄市の発展に尽力し、一人ではできないことはメンバー同士で支え合い、我々だけではできないことは様々な方々の支えを頂きながら、武雄市をより良い方向へ1ミリでも動かすという強い思いで大役を果たしたい。他者への尊敬の念と『感謝』の心を持って、個人として何ができるのか、武雄青年会議所として何ができるのか、であれば何をしなければならないのかを考え、行動を起こし、自信を持って進化の道を歩みましょう。

基本方針

新たな人材の発掘

かつて50名を越えていたメンバー数もここ数年は30余名で推移しています。武雄青年会議所創立当初からの継続事業が「会員拡大」です。会員拡大は仲間づくりや組織力強化といった内面的な部分も多分にあり、各団体も掲げる項目ではありますが、武雄青年会議所が地域からどのように評価されているかのバロメーターといった外面的な所もあって、活動する中で我々が襟を正さなければならないことや、協働事業の必要など内部では気づかない点が見えてくるはずです。こうしたことから地域での存在感を強め、よりよい影響を与えるためには常に新しい考えや、新しい繋がりを増やしていく必要があります。活動する仲間が増えることによって幅広い魅力的な活動が可能になり、地域の更なる発展のきっかけを生むことに繋がります。これこそ一人でできる事業ではありません。担当する会議体は会員拡大の意識を全メンバーへ伝えながらその機運を醸成し、メンバーは担当だけに任せるではなく、自らも責任と自覚を持って取り組むことが最も近道であろうかと思います。
地域の企業や個人商店、営業所等の訪問を行い「身近に見える青年会議所」としての地道な活動などを行い、メンバー全員で拡大活動を行う体制や仕組みを考え、一人でも多くの生涯の友に出会うべく事業を展開して人財の創造に繋げていきます。

 

信頼と結束を生み出す交流

青年会議所は異業種の青年経済人が集う組織であり、自己の見識を高める機会が多くあります。しかし、組織として共通の目標を持っていたとしても、お互いに信頼関係が構築されていなければ協力し合うことが難しく、個の力を結束して組織としての行動力に繋げることができません。組織的な行動力を生むためにはメンバー間の交流を深め、お互いを信頼し合い、強い結束が生まれる繋がりが重要で、強固な人間関係を構築する必要があります。互いに交流することでしか得られない知識や経験、考え方や価値観といったものを積極的に掴んで、相手を理解し自分を理解してもらう努力を重ね強固な関係を築きましょう。そして、青年会議所活動を守り抜いてきた諸先輩や支えてくれる家族がいるからこそ、我々が地域の中で活動できることを忘れてはなりません。先輩方や家族との間にもしっかりとした信頼関係を作ることは自身の安定した活動に繋がります。前に進んでいくためには自分の行動に責任を持たなければなりませんが、自分一人の力で前に進んでいるのではありません。自分の周りには必ず誰かがいます。相手を大切に考え、お互いに信頼し合える関係を築き、未来に向かう強固な組織へと自ら進化していかなければなりません。

 

市民との強固な繋がり

平成17年4月1日に発達障害者支援法が施行されました。この背景には、発達障害についての理解が十分でないこと、正しい対応ができていないことが挙げられます。一般的に発達障害を説明することは難しく、周囲の方は理解しにくい(誤解を招きやすい)といえるかもしれません。発達障害は統計によると、子ども達のおよそ6.5%、推計で約60万人に上り、40人学級で1クラスにつき2、3人に当てはまるとても身近な問題です。通常は児童が思春期に発症するケースが多いのですが、問題はその発達障害を患った子ども達の多くがいじめの対象になってしまっていることです。発達障害について正しい理解を深め地域で支え合うことの必要性を発信していきます。
また、武雄市は総合計画の中でも「市民とともに創るパートナーシップのまち」を標榜し、市民と一体となったまちづくりを推進しています。市民と協働のまちづくりをより深めていくためにも9年前から実施している市民討議会を引き続き実施します。まちづくりに前のめりになっている人たちとの協働ばかりでなく、声なき声「サイレントマジョリティー」の意見を吸い上げて行政や関係団体に届けます。その声に耳が傾けられ、まちづくりの一端を担うことができた時、市民と一体となった協働のまちづくりが完成したと言えるのです。市民討議会を開催して、一石を投じることにより「自分たちのまちは自分たちで創る」と考えて頂ける方が一人でも多く増えることを念願に市民参加型のまちづくりを推進し、武雄市の未来「あすのカタチ」を創造してまいります。

 

このまちを牽引する次世代リーダーの育成

我々の生活は物質的にも豊かさが増し、あらゆる情報や物を自身で得ることもできるようになりました。そのような利便性が増す一方で、身近な人との関わりが希薄になり、無意識のうちに人を傷つけるなど、相手を思いやる心が軽薄なのではないかと思われる事件が多々起きています。ネットやSNSは一方的に情報を流し、受け手がどう受け取るかでその価値観が決められる。次世代を担う青少年が誤った受け取り方をした場合、その精神的な成長はどうなのかと危惧します。我々、メンバー一人ひとりが守破離の精神を持ち、子ども達を基軸として地域が一体となり、子ども達の笑顔が溢れる未来へ向けた歩みを進めることで、しあわせを共感できる武雄を実現します。
また、日本の歴史を振り返ってみると、いつの時代も要所では自らの力で行動する傑出した若者たちが、周囲を巻き込みながら地域に活力をもたらし、日本を動かす原動力となってきました。我々の周りを見渡してみると必ず自分から発信しようとする若者がいると思います。青年会議所のネットワークを通じて行政や企業、人財へ結び付きを色濃くしながら、若くて未熟であっても人間力に溢れ新しい発想を持った若者の行動を、我々が一緒になって多くの方々に伝播していけば、地域を想い行動し続ける人の共感を呼ぶ。やがて、未来を託せる人財が生まれるという結果に繋がれば我々の活動は昇華されるのです。多くのメンバーが実質的に活動し、活動した一員であったことに誇りが持てるよう、未来の人財育成に努めます。

 

伝統を紡ぐ組織力の強化

市民意識の変革を促す運動を展開するには規律正しい組織力が必要です。組織の意思に反した個人的な主張や行動は誰からも評価されません。成果の大小ではなく、どんな障害があっても組織の意思を貫く活動を行うことが周りの方々に評価されるのです。武雄青年会議所が50年紡いできた強固な組織力を、本年度も損なうことのないような組織となるべく、事業活動や会議運営に尽力するとともに全メンバーの協力を強く求めます。
また、組織運営のためには我々の運動を多くの方々に理解して頂く必要があります。本年度は既存の広報手段を検証して、より効果的な発信ができるよう取り組みます。一方で、メンバーに対してはJCプライドを保つために、セレモニーの意義、JC三信条の意義、青年会議所運動の意義を再確認し、徹底的に理解してもらいたい。強固な組織は個人の意思の上に成り立ちます。他の団体にはない青年会議所固有の基礎を理解し、JAYCEEを理解してこそ、我々はより質の高い市民意識変革団体として運動を展開できると確信しているからです。石田会頭は「真実一路が世の中を変える」と仰っています。組織の大小ではありません。我々の棲むまちを変えるのは我々の使命です。

 

このまちを牽引する責任と使命

青年会議所の運動は我々の住まう地域だけに留まらず、日本全国、世界各国に拡がっています。そのスケールメリットは国際的で、文化、習慣、言語も違う仲間が共通する運動を展開しており、毎年、新しい委員会が全国規模で作られ、すべてのメンバーに出向の機会が与えられます。出向先では武雄青年会議所にはない新たな気づきや学びだけでなく、他の地域の同志との出会いによって見聞を広め、先輩方が「自身にとってかけがえのない財産となる」と話されているように、時には人生の転換点となるような出会いや発見もあります。日本青年会議所、九州地区協議会、佐賀ブロック協議会、全国単位で組織された委員会へ出向し、そこで得た知識や経験は自身の進化はもとより周囲のメンバーが感化され、青年会議所活動へ波及して全体が発展することが期待されます。その一方で、出向者は武雄青年会議所の代表であり、我々の見聞を広めてくれる役目も担うので、出向先の事業に誇りと自信を持って取り組めるように助言や意見の交換、気遣いや労いを忘れずにメンバーでフォローしていきましょう。
メンバー全員で出向者を支援する姿勢は思いやりのある強固な組織の証明であり、出向という機会はメンバー一人ひとりの成長の好機と捉え取り組んで参ります。